【七九条】
傷寒、下後、心煩、腹滿、臥起不安者、梔子厚朴湯主之。方四十一。
傷寒、下して後、心煩し、腹滿し、臥起(がき)安からざる者は、梔子厚朴湯(ししこうぼくとう)之を主る。方四十一。
〔梔子厚朴湯方〕
梔子(十四箇擘) 厚朴(四兩炙去皮) 枳實(四枚水浸炙令黄)
右三味、以水三升半、煮取一升半、去滓、分二服。温進一服、得吐者、止後服。
梔子(十四箇、擘く) 厚朴(四兩、炙り、皮を去る) 枳實(きじつ)(四枚、水に浸し、炙り黄にならしむ)
右三味、水三升半を以って、煮て一升半を取り、滓を去り、二服に分かち,、一服を温進す。吐を得る者は、後服を止む。
傷寒に罹り、下しを優先すべき証があったのでしょう、下法を用いています。
その後に心煩と腹満が現れ、寝ても起きても苦しい状態が現れたということです。
一旦、下しをかけて現れた腹満であるので虚満です。
そこで苦温の厚朴を用いて利湿し、苦寒の山梔子で心煩を清しています。
ところがこの苦寒の枳実ですが、薬徴に「結実の毒を主冶するなり」とありますので、虚満でありながらも、胸腹部のどこかに結実=固いしこりの様なものが存在していることになります。
梔子厚朴湯証では、心煩のみですので梔子豉湯より胸部の症状は比較的軽く、腹満で苦しいのですからやはり心下付近に結実があるのかもしれません。
鍼で行うのでしたら、梔子豉湯証に準じて良いと思います。
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