ブログ「鍼道 一の会」

53.太陽病(中)46条・47条 衄血 麻黄湯

【四六条】

太陽病、脉浮緊、無汗、發熱、身疼痛、八九日不解、表證仍在、此當發其汗。服藥已微除、其人發煩目瞑、劇者必衄、衄乃解。所以然者、陽氣重故也。麻黄湯主之。十六(用前第五方)。

太陽病、脉浮緊、汗無く、發熱、身疼痛し、八、九日解せず。表證仍(な)お在るは、此れ當に其の汗を發すべし。藥を服し已(おわ)り微(すこ)しく除き、其の人煩を發し目瞑(もくめい)す、

劇(はげ)しき者は必ず衄(じく)す、衄すれば乃(すなわ)ち解す。然(しか)る所以(ゆえん)の者は、陽氣重きが故なり。麻黄湯之を主る。十六(用前第五方)。

 【四七条】

太陽病、脉浮緊、發熱、身無汗、自衄者愈。

太陽病、脉浮緊、發熱、身に汗無く、自ら衄(じく)する者は愈ゆ。

46条は、太陽傷寒証で麻黄湯を服用して現れる瞑眩が述べられています。

その瞑眩症状は、

発煩:突如として起きる煩悶。

 目瞑:目がくらくらとするめまい。

 衄血:鼻出血

の三点です。

このような瞑眩を起こすものは、素体として内熱の盛んな状態のものであると述べられています。

麻黄湯を服用して、大いに発汗がみられたのなら、このような瞑眩は起こりにくいだろうと思います。

47条も同じく太陽表寒証ですが、麻黄湯を服用していない場合です。

ところがやはり内熱が盛んであるため、衄血が起きています。

この場合、衄血は生体が行う自然瀉血と捉えます。
おそらく、衄血後に発汗が始まるのだろうと予測されます。

なぜなら、肌表に外邪は依然として存在しているからです。

「劇しき者は必ず衄す、衄すれば乃ち解す」とあるのは、表証傷寒が解すのではなく、麻黄湯を服用した後の瞑眩症状が解すのだと考えられます。

いわゆる風邪を引いて鼻血が出た、とおっしゃる方がおられます。

もし臨床の場で、そのような症状があったと聞き及んだ場合、内熱の存在を予測できますので病態把握の資にすることが出来ます。

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