【三四】
太陽病、桂枝證、醫反下之、利遂不止、脉促(促一作縱)者、表未解也。喘而汗出者、
葛根黄芩黄連湯主之。方四。
太陽病、桂枝の證、醫反って之を下し、利遂に止まず、脉促の(促一作縱)者は、表未だ解(げ)せざるなり。喘(ぜん)して汗出ずる者は、葛根黄芩黄連湯(かっこんおうごんおうれんとう)之を主る。方四。
34条は、桂枝湯証であるにもかかわらず、医師が下しをかけたことによって起こしてしまった壊病に対する処方です。
34条を意訳します。
「太陽病桂枝湯証であったものに、医師が法に反して下してしまいました。
そうしたところ下痢が止まらなくなり、促脈が現れたが表証は、まだ解けていない。
喘ぎながら発汗しているのは、葛根黄連黄芩湯の証である。」
テキストP48 21条の桂枝去芍薬湯とよく似ています。
【二一条】太陽病、下之後、脉促、胸滿者、桂枝去芍藥湯主之。
と記載されていますね。
(上記、リンク張っています。)
葛根湯との違いは、下痢が続いていることと喘いで自汗していることです。
そもそもはおそらく、医師が陽明腑実と間違えるような熱症状があったのでしょう。
医師が下しをかけて下痢が止まらなくなっても、依然として表証が残っているのですから、桂枝去芍薬湯あたりで解表したいところです。
ですがこの下痢は、どのように理解すればいいのでしょう。
黄芩が配剤されているので、おそらく、湿熱痢だと考えられます。
そして喘ぎと自汗が現れています。
さらに条文中には、表がまだ解けていないと記されています。
ところが方剤の中身を見ると、発表剤である桂枝・麻黄が配されていません。
分かりにくいですねよね。
ではこの喘ぎと自汗の病理はどのようになっているのでしょうか。
答は、黄芩と黄連の薬能にありそうですね。
次回は、黄芩と黄連について調べてみます。
〔葛根黄芩黄連湯方〕
葛根(半斤) 甘草(二兩炙) 黄芩(三兩) 黄連(三兩)
右四味、以水八升、先煮葛根、減二升、内諸藥、煮取二升、去滓、分温再服。
葛根(半斤) 甘草(二兩炙る) 黄芩(おうごん)(三兩) 黄連(三兩)
右四味、水八升を以て、先ず葛根を似て、二升を減じ、諸藥を内れ、煮て二升を取り、滓を去り、分かち温め再服す。
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