今回の臨床講座は、南森町に在ります大阪医療技術学園専門学校の実技室をお借りして開催させていただきました。
冒頭講義は、<腹診・背診術概論>
久々に金澤が講義いたしました。
金澤が、「では、始めます!」って言いますと、いつもと違って全員起立!
学校という場の気、やはり素晴らしいですね。
まずは東西医学の「部分と全体」の違いを説明。
ざっくりと申し上げますと、西洋医学は、切り取った部分(臓器・組織・細胞…)を集めて全体を把握しようとします。
東洋医学は、部分の中に全体を診ようとします。
例えば、手首のわずか1寸5分という「部分」において、寸関尺・上中下と「全体」を診ますよね。
同じように、腹診や背診を行う際には、部分に触れながら全体を診ようとする意識が重要です。
また、事前に「鍼道 一の会」会員専用サイトにおいて、会員の皆様に夢分流打鍼術「鍼道秘訣集」を題材に、問題を提起していました。
1.「補は寫なり。寫は補なり」とはどういうことなのだろう。
2.現代と当時の打鍼術の違いによって、補瀉の意味合いがどのように違ってくるのか。
3.振動によって気が動くのは何故か。
という内容です。
このうち、<3.何故、振動によって気が動くのか。>について少し解説いたします。
まず箱に砂を入れ、その上に石や貝殻を乗せます。
そして箱をゆする・たたくなどの振動を加えると重いものは下に、軽いものは上にと移動します。
これが答えです。^^
な~んだ、って感じでしょうか。
これを、天人合一で解いてみます。
地の気は昇って雲となり、天の気は雨となって降ります。
雨そのものには、音がありません。
地に触れて初めて音を発します。
すなわち、音(振動)というのは、天の気と地の気が互いに触れ合うことによって生じるパワーなのだとわかりますよね。
どんな小さな音でも、この天地の気がパワーの元なんです。すごいことだと思いません?
音(振動)は、天地相交の気に万物が共感・共振するパワーを秘めているということです。
そしてその振動は、陰陽の気が停滞したものを本来の行くべきところに動かす力があるのですねぇ。
陽は、上へ、外へ。
陰は、下へ、内へ。
このことが分かれば、日常のいろんな場面に音(振動)を用いることができます。
言霊(ことだま)や音楽も同様です。
かしわ手を打つことで、澱んだ部屋の気を祓うこともできる訳です。
ちょっとしたコツがいりますが、かしわ手を打って音の響きの悪いところを見つけて、しばらく打ち続けていると音の通りが良くなります。
そうしましたら、部屋の浄化は終了です。
みなさま、ぜひ一度お試しください。
そして午後は稲垣学術部長によります稲垣流「脈診術」
金澤は、とても面白く感じました。
脈の浅い深いの幅の内、脈の軸(中心)を捉えて、その中心が脈幅のどの位置にあるかによって気の方向性をつかもうとする理論。
2時間ぶっ続けの講義でしたが、金澤にとっては、あっという間に感じました。
参加者の皆様も、食い入るように聞いておられました。
そしてその後は、腹診の実技を行いました。
いっや~、講義中はピーンとしていた空気が、実技となると一転、和やかな雰囲気になりますねぇ。
やはり、実技、実習って楽しいですよね。^^♪
金澤も被験者となり、触れられた感覚を伝えながら指導を行いました。
複数の方々に触れられる体験は、自分の触れ方の参考になります。
手が出来ていて、しかも上手な触り方をされると、それだけで気が動いて体が良くなります。
東洋医学に限らず、触れるところからすでに治療は始まっているのです。
触れ方、手の出し方・動かし方について、ひと工夫もふた工夫もする価値、大です。
相手の気に触れ、その気が動き出してから鍼や灸を施すと、効くべきものがさらに効きます。
人と人とが触れ合う中で、患者だけでなく治療者も良くなっていくのが本当の治療なのですねえ。
皆様、本日もお疲れさまでした!
次回『鍼道 一の会』東洋基礎医学講座は9月3日、臨床医学講座は9月17日です。
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