数日前から蝉が鳴き始めましたねぇ。
梅雨明け間近といった感じでしょうか。
さて、7月9日(日)、『鍼道 一の会』2017年度第4回基礎講座を開催しました。
全体として、基礎とはいえかなり高度な内容になったと、筆者金澤は感じております。
まずはこの人、永松副代表の『易学』。いつものように元気な声で始まりました。
無極(混沌)から太極定位を定め、両儀→四象までの解説。
さらにこの四象と五行論との組み合わせを、改めて講義してくださいました。
講座参加者のアンケートを見ると、このあたりの兼ね合わせについて、かなりむつかしく感じておられる方が多いようです。
五行を、九宮(四象・八卦から派生)と組み合わせる場合、ざっと二通りあります。
一つは、空間軸で認識するための五行と九宮。
もう一つは、時間軸で陰陽の消長を認識するための五行と九宮。
この二点に集約されるのではないでしょうか。
経年参加の方は、興味深く聞いていただけたと思います。
このような認識方法を手にしますと、腹診などの具体的な切診、病態変化の予測など、さまざまに応用することができますので、初学の方は時間をかけて自分のものにしていただきたいと思います。
次いで将来有望視されている筆頭、川越凌太先生。
しっかりと噛んで含むように、経絡学を解説。
ご自身で作成したアニメーションを使っての解説は、受講生からも大変理解しやすいと好評です。
ずいぶんとこなれてきた感じですね。
続いて大阪医専 東洋医学部・鍼灸学科 教師 江見木綿子先生。
今回から筆者金澤に代わり臓象学を担当してくださっています。
しっかりと教科書を読みこみ、さらにご自身の世界でイメージしたことを加えて、はきはきとした聞き取りやすい声と口調で講義してくださいました。
ちなみに、任せると言いながら、筆者金澤もしばし乱入致しまして、口を挟ませていただきました。
内容的にはかなり難しいことを喋ってしまいましたが、終始和やかな雰囲気の中で終了しました。
そしてラストは稲垣学術部長による「一の会式・東医理論」
『陰陽と五行で人体を考える』をテーマとした講義。
今回は、<五臓について>
「一の会」では、いわゆる中医学的な五臓概念を踏襲しますが、それ以上に内経医学的な五臓概念を重要視しています。
内経を丹念に調べあげた上で、五臓の概念を大胆に展開。
筆者金澤が興味深かったのは、<霊枢・経脈>などで属絡している臓腑概念と、その他内経で展開されている臓腑概念は異なるという点でした。
この辺りは、もう少し煮詰めていくと、臨床的な幅が大きく拡がる予感がします。
また今回、受講生の中から「心の募穴ー巨闕、心包の募穴ー膻中とする」ことに関する質問が出され、心と心包概念の歴史的変遷と臨床象とを照らし合わせて、講師陣で論議しました。
おそらく、心と心包の募穴は、入れ替えるのが理論的にも臨床的にも符合すると考えられます。
終了予定時刻の午後五時を過ぎてしまいましたが、あっという間に時間が経過してしまったような、筆者にとって濃密な一日となりました。
次回『鍼道 一の会』基礎医学講座は8月6日。(臨床医学講座は7月23日です。)
『鍼道 一の会』は、常時入会を受け付けております。
興味が湧いた、面白そう、ピン!と来た方、どうぞお問い合わせください。
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『鍼道 一の会』 事務局 大上(おおがみ)まで
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