第4回目の基礎講座は、南森町にあります「大阪医療技術学園専門学校」の教室をお借りして、開催させていただきました。
場が変わると新鮮な気持ちになります。『場』の力って、大切だなーと、改めて感じた次第です。
そして当日は、まだ梅雨が明けきっていないのに、ピカピカの晴れ! 『一の会』開催日は何故か晴れる日が多いのです。
これからますます暑くなりますが、夏は発散の季節!しっかりと汗をかいて発散できる身体、それが大切ですね。(参考までに熱中症について→http://iori-hermitage.sblo.jp/article/159412764.html)
それはさておき、トップは永松先生による『易学』
今回は十二支の解説二回目。辰、巳、午、未について。
昨年までは、訳も分からずただ聞くだけでしたが、今期に入ってな~んとなく分かりかけて来たような?感覚があります。
やはり、分からなくとも根気よく聞いていると、耳になじんでくるのか、理解する意識も変容するのでしょうね。
上図は、五運六気の太極と理解しています。
「司天・在泉」の理解も少しばかりですが進みまして、やっとこれから面白くなりそうな予感はしていますが・・・(^-^;
今回、永松先生が参加者に出されたオーダーです。
3.の「五行の属性配当」について、復習のためにちょっと書いてみます。
子
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丑
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寅
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卯
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辰
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巳
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午
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未
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申
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酉
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戌
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亥
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水
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土
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木(陽)
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木(陰)
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土
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火(陽)
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火(陰)
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土
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金(陽)
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金(陰)
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土
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水
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これを念頭に四正
そして四隅
四正と四隅を重ね、十二支を配当すると九宮の出来上がりです。
ここまできて、やっと入り口が見えて来たかのようです。
今期の永松先生、ヨチヨチ歩きの子供の手を取って一緒に歩いて下さってるかのようです。
次いで二時間目は、稲垣先生による『中医学から学ぶ東洋医学用語』
今回は「五臓について」(陰陽五行で人体を考える①)でした。
配布された資料を見て、驚かれた人も多いのでは・・・すべて素問・霊枢から引用された漢文!
金澤先生は、「西洋医学の医師がドイツ語を読解出来るのだから、東洋医学の担い手も漢文が読めて当然や!」と常々仰いますが。
安易に中医学用語とその概念を覚えるのではなく、そのルーツである<素問・霊枢>の世界観・人体観から中医学用語を眺めてみると、やはり無極・太極・両儀・四象・八卦・・・の流れが見えてくるようでした。
午後一時間目は、引き続き稲垣先生による『傷寒論から学ぶ六経病』
今回は太陽病のうちの、太陽中風証=桂枝湯証について。
中医学では、八綱により「桂枝湯証=表寒虚証」というのが通説になっていますが、治療法として発汗法=瀉法を用いている。
実際、「傷寒論」の「桂枝湯」方中には、桂枝湯を服用して熱い粥をすすり、身体を温かく保ち、発汗させなさい(=瀉法)と説かれています。
虚証の病態に、なぜ瀉法を用いるのか?
それは、この病症が虚証ではなく、実証であるからだと。故に、表寒虚証の概念は誤りであると指摘されました。
加えて、共に汗法=瀉法を用いる麻黄湯証と桂枝湯証の違いは、病位の深さの違いであること。
では桂枝湯の正邪抗争の場はどこなのか?を、図を描いて説明してくださいました。
『傷寒論』は、中医的に読むと、鍼灸師にはとても使えませんが、日本漢方・古方の視点で読むと、これをなくして鍼灸は成り立たないのではないかとさえ思えます。
そして金澤先生による『臓象学・経絡学』
今回は「胃の腑」について。
中医学で決定的に欠落している<内経医学>の根幹であり、生命の存亡にかかわる、太極的な『胃の気』とは。
基礎では簡単に触れられ、今後は臨床講座で展開されるとのこと。
金澤先生は、学校ではほとんど教育されていない流注が分からないと、太極的な臨床はできないと言いきられます。
足陽明は、缺盆穴から気衝穴まで深浅二つのルートがあり、さらに足三里穴から第二指、厲兌穴の流れと足三里穴から豊隆穴を通って第三指、第二厲兌穴のルートがあると、<霊枢・経脉篇>から引用・解説されました。
この腹部の深浅ルートが、そのまま足の二つのルートに反映されているのならば、自ずと穴性が見えてくるはずであると。
また経筋・経別・絡脉を通じて、足少陽・足太陽にも流注している。それは<素問・陰陽離合論>の開・合・枢理論の根拠であり、臨床応用への道を示すものであるとのことでした。
金澤先生独自の「傷寒論・六経概念」とマッチングした見解である穴性や開・合・枢理論は、何度か聞きましたが、臨床応用にたどり着くまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
開・合・枢理論については、当ブログ内でも取り上げておりますので参考になさってください。
さて、いつもの通り、トリは永松先生による『一之道術』
今回は、立位。
ただ立つという姿勢にも、自分自身の気を意識して。
八卦・艮山(ごんざん)の如く、また周囲の変化に応じて軸をずらさず変に応ず。
毎回、形は違っても、根底に流れているテーマは一貫しています。
お疲れさまでした!
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