素問・四気調神大論には、自然界の四季の移り変わりに寄り添うような生き方が健康の秘訣であることが記されています。
原文と読み下し文、意訳は以下にリンク貼っておりますので、ご参考になさってください。
四気調神大論 第二
この四季=四時の気の変化と共に、人の心身の状態も変化することは、東洋医学の基本中の基本となります。
患者がなぜこの季節に発症したのか。また毎年ある季節になると、なぜ肉体やメンタルの症状が悪化するのかが、観えてきます。
そうしますと、即治療に結びつくだけでなく、有益な養生情報を患者にお伝えすることもできます。
先の上古天真論1では、人が何故病むのか、病にならないためには、どのような精神状態・生活態度が自然の法則に適っているのかが説かれていましたが、この四気調神大論では、その自然界の四季の法則と、それに応じた生活方法が具体的・抽象的に記述されています。
概略的に自然界の気の作用を記しますと下図のようになります。
四季は四気に通じて、大きく4種類の気の作用として捉えます。
つまり、春=生まれる、夏=長じる、秋=収まる、冬=蔵するの4つです。
1.春は芽吹いて気は外・上。
2.夏は伸びて盛んで気は外に発散・上昇。
3.秋は引き締まって気は内向き・下行。
4.冬は固く閉ざして求心性・下降・鎮静
ご覧くださるとお判りのように、中医学で説かれている人体の気機・昇降出入は、自然界でも四時の気の流れとして起きているのですね。
これらを心中にイメージして読み進めてくださればと思います。
脈診術も、この四時によって浮き沈みします。
さて、今篇での骨子をいくつか並べてみます。
1.発病は、前の季節の生活の誤りの結果である。
たとえば、春に体調が悪い・発病するのは、冬の過ごし方に問題があるということになります。
春の花粉症も、アレルギー反応という視点とは異なる目で見て頂くと、問題解決につながります。(後に例として記します)
2.自然界の気に合わせて、人間の精神状態をも調和させる。
3.日の出・日の入りに合わせて、寝る時間と起きる時間を調える。
4.病に罹ってしまってからでは、もはや遅いのである。未病治=養生の知識を身につけること。
以上の5点を押さえながら、これからのブログをご覧いただくと、理解が深まると思います。
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