前回ブログ「天道に適う」で書きましたように、養生においては、「行動だけではなく、心や気持ちもまた『和する』ことが大切」と述べました。
天道には、善や悪は存在しません。
ましてジャッジすることも、されることもありません。
ただ、覚えておかなくてはならないことは、天道に逆らえば、自らの寿を縮めることになるということだけです。
天道は、我々の都合には全く関係なく、生じ育て、枯らし破壊します。
ちなみに高級神霊とは、このような存在です。
ですから私たち人間は、時に寒暑に適い、時に寒暑を避けることの必要性も出てくるのです。
病に陥ってしまったり体調がすぐれない時、この天道に適っているかどうかを、自分に振り返ることは、とても大切なことです。
その際の要点のひとつとして、関係性を見つめてみることです。
古典(黄帝内経・素問 上古天真論)に記されていることは、きわめてシンプルで簡単なことです。
ところが、現代に生きる私たちにとっては、腹八分目にして早めに休むという、簡単で当たり前のことにさえも、非常に困難さを感じてしまいます。
いったい当時と今と、何が異なるのでしょうか。
ひとつには自分の生活が、体が、心が、複雑に自分以外のものとの関係性で成り立っているからです。
ひとりの人間を取り巻く関係性が、太古に比べて広く複雑になっているからです。
そして、あらゆるものと関係性で繋がっていながらにして、それを認識できなくなっているのです。
だかららこそ、時に素朴に原点に立ち帰り、今を振り返る必要も出てくるのです。
自分を変えたい、今の生活を変えたい・・・そのように願うのであれば、関係性に光を当て、具体的に、現実的に選択と行動を変えていくことです。
自分自身との関係・・・これが基本です。
自分と家族との関係
自分と友人・同僚との関係
自分と居住している場所との関係
自分と自然との関係・・・etc.
関係性は、無限のつながりを持っています。
その中の、どこに光を当てるのか。
ご自身の、感覚で。
※ 自分の「感覚」に関して、「いおり日記Part2」で触れています。ご参考になさってください。
↓
「自分の感覚で」 「数字で計れないもの」 「就寝時期の大事‐陰陽に適う」
( 筆者 : 金澤秀光 )
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