足三陰は、一源三岐理論の任脈をその長とし、任脈の機能を足三陰に分けて認識したのが開・合・枢理論である。
開である足太陰は、水穀の精微を全身に巡らせるので、気血生化の源である。
合である足厥陰は、血を蔵し必要に応じて疏泄作用を発揮する。
枢である足少陰は、気化作用を通じて精から血を生じ、血を精に変化させて蔵し、その舞台は一源三岐論の衝脉である。
足三陰の肝と脾との関係を、経絡・経穴的にみてみると、脾募:章門穴は足厥陰に属し、肝募:期門穴には足太陰が流注している。
さらに下肢の流注に目を移せば、三陰交穴で足三陰が合流しているだけでなく、陰陵泉穴付近で、足太陰と足厥陰は交差しており、腹部に至ってさらに足三陰は複雑に交会している。
陽は清、陰は濁。濁は入り混じってはっきりしない様である。
もとより経絡は点と線で結ばれた概念ではなく、ゾーンであるが、とりわけ足の陰経は、分けて分けられないものであると認識できる。
これは背部兪穴と腹部募穴の性質の違いにも明確に現われており、追って著したいと考えている。
次回は、足の三陰三陽の表裏関係とは別に、開・合・枢理論を軸として表裏を関連づけ、臨床の資とすべく試みたい。
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