言語の養生については、基本妄りにしゃべるのではなく、要点をゆっくりと相手に響くようにしゃべること。
冬であれば気が藏している為、自分からしゃべることは極力少なく、質問に対して答えるようにしゃべること等と書かれています。
又、他の行動と言語を同時に行わないこと、しゃべるときには気海丹田から行う事、朝は気の出始めなのでなるべく大きな声を出さず、良い事を発する様にすること。
気が蔵す夜には冬と同じようになるべくしゃべらないこと等、全て言葉にも力があり、気が備わり、妄りに使う事で浪費していることを誡めています。
現代では分かりにくい事ですが、この事に関しても、東洋医学では声が小さい人は気も少ないと判断する事等に反映されています。
冬であれば気が藏している為、自分からしゃべることは極力少なく、質問に対して答えるようにしゃべること等と書かれています。
又、他の行動と言語を同時に行わないこと、しゃべるときには気海丹田から行う事、朝は気の出始めなのでなるべく大きな声を出さず、良い事を発する様にすること。
気が蔵す夜には冬と同じようになるべくしゃべらないこと等、全て言葉にも力があり、気が備わり、妄りに使う事で浪費していることを誡めています。
現代では分かりにくい事ですが、この事に関しても、東洋医学では声が小さい人は気も少ないと判断する事等に反映されています。
養生要集には
「中経には、人は語ることと笑うことをなるべく少なくするようにする方が良い。高い声を出そうとしないこと。声が高いのは善し悪しを論議し、自説を主張し、周囲を説き従わせようとするときであり、醜悪で互いに罵り合うときに使うからである。このような会になったら、その度に心を空虚にして気を鎮める事。人と競争してはならない。もし言葉が過ぎ、笑い過ぎれば、肺を損ない、腎を傷つけ、精神が安定しなくなる。」
千金方には
「冬の日には語るのがよい、言うのはいけない(自分からしゃべることを言うと言い、人に答えるのを語ると言う。)」
又云う
「冬の日に冷たい外気に触れて歩く時は、たくさん返事したりしゃべったりして口を開いてはいけない。」
又云う
「人の質問に答える場合は、鐘の響きを含むように語るようにするべきである。」
又云う
「歩きながら返事をしてはいけない。返事をするときには必ず立ち止まって語るべきである(歩きながら語ると、気が失われる。)」
又云う
「たとえ言語を読誦する時でも、常に声は気海(臍下丹田)にあると思え。」
又云う
「朝起きた時には、専ら良いことを口にするように心がけよ。先ず金銭や財産を計算しようとしないこと。」
又云う
「朝ベッドから降りた時、叱ったり大声を出したりしてはいけない。又、悪口をいってはいけない。」
又云う「朝溜息をついてはいけない。」
又云う
「およそ清々しい朝には、いつも良い事を口にせよ。悪い事を聞いたら、来た方向に向かって三回唾を吐けばよい。」
又云う
「日が沈みはじめてから後には、話をしたり読誦したりしてはならない。もしどうしても読誦しなければならないことがあったら、むしろ平旦(午前四時頃)まで待つようにせよ。」
又云う
「寝てからは話をしないこと。(寝ると五臓は鐘のように身体に懸かっていないから声を出してはいけない。)」
又云う
「夜の夢は人に話してはいけない。朝になったら東方に向かって水を注ぎ、悪い夢は草木につけ、良い夢は宝となれ。と言えば即ち咎がない」
又云う
「夢の善し悪しを話してはいけない」
養生志に云う
「朝起きた時にあれこれ言ってはいけない。又歌ったり詩歌をくちずさんだり、口笛を吹いたりしてはいけない。名づけて「請福の吉」という。」
又云う
「眠りから覚めて大言してはいけない。精気を損ない、氣力を減らす。」
又云う
「眠る時は歌を詠じてはいけない。歌を詠うと悪い事が起こる。」
枕中方に云う
「道を行う者は、いつもそのことを内密にするように心がけ、一言も言ってはいけない。一言言う事は、すなわち一算を減らす事であり、一算とは三日の事である。」
原文及び書き下し文
養生要集云、中経曰人語笑欲令至少。不欲令聲高。聲高由於論義理辨是非、相嘲調説穢慢。毎至此會、當虚心下氣与、人不競。若過語過笑、損肺傷腎精神不定。
養生要集に云う、中経に曰わく人は語笑を至って少なくせしめんと欲せよ。聲をして高くせしめよ。聲高ければ、是非を論議、理辨し、調説、穢慢を相嘲しるによる。この會に至る毎に、当に心を虚くして氣を下すべし。人と競わざれ。若し語を過し、笑を過ぎなば、肺を損ない、腎を傷り、精神定まらず。
千金方云、冬日正可語不可言[自言曰言答人曰語有人来問不可答不可發也]。
千金方に云う、冬日は正に語るべく、言うべからず。「自ら言うを言うと曰い、人に答えるを語ると曰う。人の来たりて問うあらば、答えざるべからざるも、言を発すべからざるなり。」
又云、冬日触冷行勿大語言開口。
又云う、冬日冷に触りてあゆむ時は、大いに語言して口を開く勿かれ。
又云、語作含鐘聲
又云う、語は鐘声を含むをなせ。
又云、行不得語欲語須作立乃語[行語令人失氣]。
又云う、行く々語るを得ざれ。語らんと欲すれば、須べからく立を作して乃ち語るべし。「あゆみて語れば人をして氣を失わしむ。」
又云、縦讀誦言語常想聲在氣海中[吝下也]。
又云う、縦に読誦、言語するときも、常に声気海の中にありと思え、「臍下なり。」
又云、旦起欲得専言善事不欲先計銭財。
又云う、旦起きて専ら善事を言うことを得んとせよ。先ず銭財を計ることを欲せざれ。
又云、旦下床勿叱吐呼勿惡言。
又云う、旦床より下りて叱り吐呼する勿かれ、惡言する勿かれ。
又云、旦勿嗟嘆。
又云う、旦は嗟歎する勿かれ。
又云、凡清旦恒言善事聞惡而即向所来方三唾之吉。
又云う、凡そ清旦には恒に善事を言え。悪事を聞けば、即ち来たる所の方に向かって三たびこれに唾するが吉し。
又云、日初入後、勿言語讀誦必有讀誦寧待平旦。
又云う、日入り初めて後は言語読誦する勿かれ。必ず読誦することあらば寧
口平旦を待て。
又云、寝不得語[言五藏如鐘磬(けい)不懸不可出聲]。
又云う、寝りては語るを得ざれ。「言うこころは、五臓は鐘磐の如く、懸けざれば声を出すべからざるがなり。」
又云、夜夢不可説之。旦以水向東方潠(そん)之呪、曰悪夢着草木好夢成寶玉即無咎。
又云う、夜の夢はこれを説くべからず。旦、水を以て東方に向かってこれをそそぎ呪して、悪夢は草木に着け、好夢は宝玉と成れ、と曰えば即ち咎なし。
又云、夢之善惡勿説之。
又云う、夢の善惡はこれを説くこと勿かれ。
養生志云、旦起勿言奈何。亦勿歌嘨(しょう)名曰請福吉。
養生志に云う、旦起きて奈何を言う勿かれ。亦、歌嘨する勿かれ。名づけて請福の吉と曰う。
又云、眠訖勿大語損氣少氣力。
又云う、眠り訖りて大語する勿かれ。氣を損じ氣力を少なくす。
又云、眠時不得歌詠。歌詠不詳事起。
又云う、眠る時は歌詠することを得ざれ。歌詠すれば不詳の事起こる。
枕中方云、夫學道者毎事欲密勿泄一言。一言輙減一筭三日也。
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