初冬・・・美しく枯れる |
各地域の文化は、それぞれの気候風土に適うように形成されてきた。
人が健康に生活していくためには、とりわけ四時の変化に適う生活が最も大切であるところは、黄帝内経で一貫して説かれていることです。
春夏秋冬の四季=四時には、それぞれの季節に特徴的な気の作用(昇降出入)があります。 (図―1)
図 1 |
東洋医学では、四診(望聞問切)の中核をなす八綱概念を実際の臨床に応用するには、自然界の陰陽の盛衰=消長と共に、人間もまた自然界の気の変化に同調するという天人合一思想を十分に理解し、臨床に応用する必要があります。
以下、イメージしながら、感覚として大雑把に捉えてください。
春は寒気が緩んで万物が芽を出し、あらゆるものが生まれ活動を始める時期です。
夏になると、陽気が盛んとなり、天地・陰陽の気は激しく交流し、ありとあらゆるものが活発に活動する時期です。
秋になると空気が澄んで清涼となり、あらゆるものが引き締まる時期です。
冬になると寒気が天地を覆うようになり、あらゆるものが凍りついて活動をやめ、密やかになる時期です。
要約すると以下のようになります。
1.春は生まれる。芽吹いて気は徐々に外・上向き。・・・肝
2.夏は伸びて盛んに成長。気は遠心性・外に発散・上昇・・・心。
3.秋は引き締まる。気は内に収斂・下向き。・・・肺
4.冬は固く閉ざす。求心性・鎮静・下降。・・・腎
このように、自然界は四季=四時を通じて、大きく成・長・収・蔵と四つの気の変化を現します。
さらに季節の気は、五藏の特徴的な働きと密接で、春・東=肝、夏・南=心、秋・西=肺、冬・北=腎、土用・中央=脾に通じています。
従って、人体の肌表の状態、気の浮き沈み、脈状だけでなく、季節的・天候的要因で変化する症状を理解する上でも、なくてはならない概念ですので、しっかりとイメージして意識になじませることが肝要です。
四時の気の変化は、人体気血の生理変化に顕著に影響します。
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