ブログ「鍼道 一の会」

【「風邪の引きはじめに葛根湯!」とよく言うけれど・・・】

酒井 つぐみ

先日、鍼道一の会にて「六経弁証」の講義を担当させてもらった。

六経弁証とは、外から入ってくる邪(ウイルスや細菌など)に対して、
身体がどの深さで、どのような反応をし、どういう経過をたどっていくか、を六つの段階で示したもの。
傷寒論という1800年くらい前に作られた漢方薬バイブル書と言ってもいいほど!の医学書がベースとなっている。

一の会では、日本で発展した古方派と現代中医学の見方をメインで取り入れているが、メインはやはり古方派の気を中心とした考え方・捉え方を重視している。

「風邪の引きはじめに葛根湯!」という言葉を耳にしたことのある人は多いと思う。
かつて私も東洋医学の世界に入るまではそう思っていた。
・・・でも、学び出して思ったのは、証が当たれば効くけれど、外れると全く効かない、むしろ悪化することもあり得るということだ。

葛根湯を飲むべき状態は、温めてもゾクゾクと寒気が止まらないような悪寒から発熱が始まり、
「脈が浮いて、頭や項のあたりが凝って痛み、悪寒がする、そして汗をかかない」ことである。

どういう状態かというと、体表(イメージで言うと皮膚等の比較的浅いところ)から
ウイルスなどの邪が体内に入ろうとしていて、身体の正気(邪を追い出す元気)とのせめぎあいが体表で起きている状態
そんな状態の時に葛根湯を飲むと、体表を温めて発汗を促し、邪を追いだすように働いてくれる。

つまり風邪をひいて、悪寒がそもそもない人、汗がすでに出ている人、関節痛が起こる人、他にもめまいや食欲不振になる人…
いろいろなパターンがあるが、葛根湯を飲むべき症状が出ずに、他の症状が出ているときは、
同じ風邪であっても、葛根湯を飲んでも効かないということ。

他にも麻黄湯証や桂枝湯証、小柴胡湯証などのお話も。
実際の臨床では、ここまではっきりときれいな症状が出ることはめったにないが、
それぞれの証の原理原則みたいなもんがあって、それらについて先生方の臨床経験を含めてディスカッションしていった。

漢方は、「風邪だからこの薬!」ではなく、「それぞれの体質に合っているかどうか」がポイント。
漢方は効き目が弱い…と、すぐには効かない…と耳にすることがあるが、効かないのではなく、証が合っていない、というケースも多い。
バシッと合ったときにはしっかり効くが、外すと効果が出にくい。
漢方をバシッと効かすためにも、ちゃんと原理原則は押さえておかないとな、と思えた時間でした。

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