ブログ「鍼道 一の会」

⑥ 互根・資生

寒気の中の花 つつましくとも陽気が盛ん(平衡)


 一個の物体は、形=物質と気=非物質で成り立っている。(互根)

 明るさはロウが熱せられ気化し、炎となって陰陽の交流が持続している姿である。図 10
 
 人体においては、気血が熱とロウに相当し、明るさは生命現象である。


 
図 10

 気は血の帥(すい)で血を動かし導くだけでなく、五臓六腑の機能を支え、水穀の精徴から血を生成する。

 血は気の母であり、血が燃えることで気が生み出される。気血は互いに生み出し養う関係にある。(相互資生)

 
 生命現象がある限り、気血はそれぞれ単独では存在し得ない。

 感情など気が過度に高ぶると、炎が大きくなり、血が大量に消費されることになる。(互根)

 
 従って身体を休め養うには、身体の活動を低下させるだけでなく、心がひそやかで鎮まっていることが非常に大切なことになる。(相互資生)

 精が不足してくると、次第に炎は小さくなり、消える直前で炎は瞬間的に大きくなって消える。

 
 人間の生命も、死の直前で一旦持ち直したかのように見える仮象が現れることと相関がある。

 図 11 からは、互根と平衡・消長、転化が見て取れる。

 
 
図 11

 振れ幅の範囲内で左右は消長し、左右に振れ切った極点で転化して向きを変え、元に戻ろうとする。(平衡)

 陽左・陰右を、気血、夏冬、昼夜、上下、寒熱、虚実、正邪、好き嫌い、善悪、吉凶などに置き換えてイメージし、習慣化するとあらゆることに応用することができる。

 
 
 
 一の会
 
 

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