【二二条】
若微寒者、桂枝去芍藥加附子湯主之。方九。
若し微寒する者は、桂枝去芍藥加附子湯(けいしきょしゃくやくかぶしとう)之を主る。方九。
〔桂枝去芍藥加附子湯方〕
桂枝(三兩去皮)甘草(二兩炙)生薑(三兩切)大棗(十二枚擘)附子(一枚炮去皮破八片)
右五味、以水七升、煮取三升、去滓、温服一升。本云桂枝湯、今去芍藥、加附子、將息如前法。
桂枝(三兩、皮を去る)甘草(二兩、炙る)生薑(三兩、切る)大棗(十二枚、擘く)附子(一枚、炮(ほう)じて皮を去り八片に破る)
右五味、水七升を以て、煮て三升を取る、滓を去り、一升を温服す。本(もと)云う桂枝湯より、今芍藥を去り、附子を加うと。將息(しょうそく)は前法の如くす。
この条文は、21条の続きとして読んでくださればと思います。
太陽病で下すべき証があり、一旦下法をかけた後に現れた証でしたね。
そして太陽表証がまだ残っており、脈が迫ってくるような数脈で、胸満がしている。
その上さらに「微寒」する場合は、桂枝去芍薬加附子湯なのですよ、ということです。
炮附子を加味していますので、脈力は弱く感じるはずですが、脈だけで桂枝去芍薬湯と噛み分けるのは、難しいですね。
しかし条文中に「微寒」とあります。
悪寒とは書いていませんので、実際に寒がるだけでなく、やはり切すると腰から下肢にかけて冷えていると思われます。
この冷えの状態がひとつの目標として、鑑別できると思います。
小便も、少し出難いかもしれませんね。
鍼を用いる場合、桂枝去芍薬湯よりも虚証です。
この場合の胸滿は、胸のうっ滞を押し出す力が不足していると考えますので、まず下に取穴して腎陽が高まる様に持っていくと良いのではないでしょうか。
その結果として、身体が自然に瀉に働けばいいですね。
しかし下に引いて補って、仮に脉力が出て来ても、胸滿が取れない、もしくは悪化するようでしたら、気滞が原因しているかも知れません。
このような場合は、脉力が出ても浮き切らないかも知れません。
また、脉が少し早くなるかも知れません。
もしそうならば、上焦部位から経穴を選んで軽く瀉法を施すという手も良いかもしれませんね。
このように、病理が理解できていると自由に取穴して頂けると思います。
次回は、23条ですが少し複雑です。
条文中に攙入があると思われるからです。
あらかじめ目を通して頂き、ご自身なりの理解をしておいてくださればと思います。
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