↑ 前回の続きです。
漢方は、じっくりじんわり効いてくる?
長く服用しないと効果が現れない?
まことしやかに、広く世間で流布している漢方薬のイメージについて書いて参りました。
結論から言えば、確かに、そういった漢方薬もありますし使い方もあります。
が、的を得た答えでもないのです。
バチ!って、超短期、単発で効かせる漢方も、実は数多くあるのです。
ところで、鍼と漢方(湯液)の治療って、治療家はよく戦争に例えます。
臨床で、『邪を攻める』なんて言葉も、よく使います。
敵をやっつけろ! って感じ。
戦争とは何やら恐ろしげですが、戦争の情勢を色々と連想してみてくださいな。
戦う相手は多勢で味方は無勢。しかも逃げられないとしたらどうしますか?
ちょっとの間でも戦いを避け、時間稼ぎしながら味方の勢力の増強を計りませんでしょうか。
このような場合、邪気と戦わないようにじっくりと時間をかけて邪気と戦う準備に治療を費やすのですよ。
反対に、もう明らかに負け戦と知ったら、いかに引き際をきれいにと考えません?
治療だと、いかに苦しまずに人として本来の在り様に沿って死を迎えるかという点に注力します。
東洋医学は、助かるか助からないか、生死の判別にとても優れた医学なんですよ、実は。
古代では治療を施して患者が亡くなると、治療者の命もなくなる場合が多かったことに由来しているからです。
今じゃ、考えられないことですよね。
話を元に戻します。
治療の過程では、時に小さな小競り合いというか、ゲリラ戦法のようになることもあります。
まっ、なんにしろこんな時は、じんわり元気を養う・効かせるような治療を行います。
ですので、漢方は、
じっくりじんわり効いてくる?
長く服用しないと効果が現れない?
っていうのも、まんざら間違いではないのです。
このような場合、術者と患者の双方ともに、なかなかいい結果が出ないので、焦ったりあきらめかけり・・・、ちょっと根くらべみたいな感じになりがちです。
お薬も、一気に邪気と対戦しないようにジワジワと元気をつけますが、いずれ決戦の時はやってきます。
それを身体にできるだけ負担を掛けないで、どのような形に持っていくかはやはり術者の考えと技量、そしてその時の状況が決めます。
ところがですよ、互いに多勢同士で明らかに味方が勝っている。
多方面から情報得て、勝算あり!と踏んだら、一気に勝負に出ません?
一気に勝負に出ると、いったいどのようなことが身体に起きるのでしょうか?
つづき・・・ます。
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