鍼灸医学の懐

陰陽応象大論(五) – 大宇宙と小宇宙(1)

解説と意訳

 本篇では、マクロコスモスである大自然と、ミクロコスモスである人間とは、等しく同じ法則の中で生々流転していることを説いている。

 これを、天人合一=天人相応思想と称し、鍼灸医学の基本中の基本であり、寄って立つ基盤となる思想である。

 当然医学という限られた世界だけのものではなく、この世に存在する万物、ひいては人間の心と身体と魂の有り様にまで用いることができという偉大なる思想です。

 ただし、望んで求めたものにだけ与えられるものであるが。

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  原文意訳

  黄帝が申された。


  陰陽というものは、天地大自然の絶対的な法則である。


  この世に存在するあらゆるものは、この法則によらないものは無いのである。


  春に芽を出し生まれ、秋に死に枯れ生々流転する自然界のあらゆる変化は、目に見えない陰陽二気の消長・転化の法則がその根本にあるからである。


  反対にみれば、大自然は陰陽の働きの舞台であり、目に見えないこの働きによって草木は花を咲かせ、実をつけるのである。


 このように天地の間で、陰陽二気の神妙なる働きが繰り広げられ、草木1本、傍らの石ころ1個の中にさえ陰陽の法則を見出すことが出来るのである。



 人の病の治療に際しては、等しくこの陰陽の法則が働いているのであるから、これを熟知し、陰陽の法則を以て病因・病理を究めなければならないのである。

 これは、基本中の基本であり、これを「道に法る」というのである。


  であるから、人を深く理解するには、大自然をよく観察するがよい。


 原文と読み下し

黄帝曰.


陰陽者.天地之道也.萬物之綱紀.變化之父母.生殺之本始.神明之府也.治病必求於本.


黄帝曰く。

陰陽なる者は、天地の道なり。萬物の綱紀。變化の父母。生殺の本始。神明の府なり。病を治するに必ず本を求む。

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